塾講師 バイトの悩みに役立つ書籍

一つの会社で満足できないから二つの会社に所属するとか、ミサワが始めた土日会社などに入るとか、そういう人もこれから増えてくる。

週五日制がさらに普及してきたら、土曜はひとつ自分のために働こう、百姓でもやろう、あるいは別の会社で、みんなで事務所をやってやろうかと、いろいろ考える人が出てくる。 私は最近、サラリーマンの勉強会で、みんなで共通の事業をやってみたらといっている。
サラリーマンの勉強会の欠点はいわゆる応用問題ができないということである。 そうすると、みんなで一緒に事業をやってみたらいいのではないか。
土日か勤務後に売り込んでいけばいいのである。 時間の概念が崩れるこれからの時代は、古典的な時間の概念は崩れてくる。
情報化・サービス化社会というのはそういうことだ。 たとえば農業化社会は、自然が相手だから、朝から晩まで働くのがいちばん効率よかったし、また工業化社会というのは、エネルギーをいかに効率よく使用するか、節約するかがポイントだから、これも朝から晩まで働くのがいちばん理にかなっている行動である。
しかし情報化・サービス化社会になれば、必ずしもそうとはいえない。 夜だけの商売も出てくるし、夜だけの事業もどんどん増えてくる。
夜、若者の集まってこない町は次第にさびれていく。 アメリカに見られるウィークエンド・ジョブのようなものも生まれてくる。
ともあれこれまで予期しないいろいろな仕事ができてくる。 アメリカの大リーガーの一流選手は、冬だけはセールスマンをやるとか、大工さんをやるとか、百姓をやるとか、牧場をやるとか、いろいろなことをやっている。
日本のプロ野球のオフは遊ぶかトレーニングしかやっていない。 もっといろいろなパターンがあっていいはずである。
生き甲斐というのは人それぞれの問題である。 趣味もそうである。

だから仕事が生き甲斐になる人は、いくらでも仕事をやっていいのではないか。 えてして、そういう第二の職場のほうが、クリエイティブができるのではなかろうか。
またフレキシビリティな労働もこれからどんどん増えていく。 人材派遣業がブームになってきたのも、そういう社会の背景がある。
ソフト化・サービス化社会は労働の弾力的運営なくして考えられない。 また日本の技術ひとつをとらえても、もはや応用技術の段階ではない。
さらに独創的な技術、先端的な技術をやっていかざるを得ない。 ニュービジネスでもそうである。
そうすると、いろいろ先端技術をやっている企業はどんどん勤務時間の弾力的運営をはかろうとするようになる。 いままで研究者といっても、そんなに頭脳をすり減らす必要はなかった。
欧米あたりにテーマもモデルもあったから、研究者も工場の勤務時間に合わせてやっていってもわりに平気だったわけである。 ところが研究にクリエイティビティが要求されるようになると、そうはいかない。
たとえば出勤時間ひとつとり上げても、創造的な仕事をする人は朝八時にきて夕方六時まで仕事をやっている聞に頭脳が全開するとは限らない。 作家を見てもわかるように、朝型の作家もあれば、夜型の作家もある。
したがってこれからはマーケティングの仕事や技術開発の分野の仕事などに、もっとゆるやかな勤務時聞を認めていかねば、とても独創的なことはできない。 夜型の研究者など夜だけ勤めさせたって、べつにいいじゃないか。

企業は時代適応業だから、そのおかれている環境の変化にともなって、やり方を変えていくべきである。 いろいろな人のいろいろな労働時間とか形態が出てくるのはむしろ当然である。
はっきりしているのは、標準的知識、標準的労働をやる人の分野が、だんだん少なくなっていくということである。 またその部分の大半はコンピュータが、あるいは人材派遣業が代行するようになるだろう。
ところがいままでの旧人類は標準的労働、標準的仕事の分野でしか誇りをもっていない。 それが会社人間の会社人間たる町以であった。
ところがそれを超えていく部分をもたないとだめな時代に入る。 いまの日本の企業社会は、専門家の要求に鈍くしか応えていない。
一流の研究者や技術者、あるいは金融やマーケティングのスペシャリストは、たいてい会社に不満やいらだちを抱え込んでいる。 これから日本でも人材引き抜きなどはかなり活発化しそうな気配が見えてきているが、これという人材防衛策はない。
そこで証券会社や銀行の一部では、逆に戦略子会社をつくって、子会社のほうが親会社より給料がいい会社にしようという動きも出ている。 日本の企業も、せめてミニ・スターやタレントを育てられるぐらいの組織の弾力性がいる。
当然ミニ・スターはみんなと同じような給料ベースでは満足しない。 いわばプロをセミプロ、アマチュアと同じ組織に入れておくから、ぎくしゃくするのであって、親会社より給料が多い、そういう子会社をつくってもいいではないか。
そこから本社に逆に派遣していく。 そういう形がもっと出てきてもよいはずである。
昔、Sが、Sという制作会社をつくって、Yなど、超一流のクリエイターをたくさん抱え込んだケースもある。 また銀行がこれから企業の乗っとりとか、吸収合併をどんどんやっていくようになる。
日本にはこういうのはまだなじみがなかったといわれるが、そうともいえない。 いまはネットワーク経営の時代だから、企業同士の合従連衡とか吸収合併の社会的必要性が生まれている。

そういう方面からも、サラリーマンは変わっていく。 同窓会が最近盛んになってきたのは、人生の八十年時代に備えているということである。
いままでは人生五、六十年時代のサラリーマンのスタイルしかもっていなかった。 つまり定年後しばらく、ハッピーリタイアして、盆栽でも植えて、極楽浄土へ向かう。
そういうスタイルだったが、人生八十年ともなれば、定年後もあと十年、二十年働きたい。 経済的な問題だけではなくて、仕事をしないと頭もぼけるし、生き甲斐もない。
しかし、定年後はもう会社が面倒を見てくれない。 いまの企業は定年まで面倒を見られるかどうかも危ないぐらいである。
それがわかっているから、労働組合もそこまで要求しない。 となると定年後は自分で設計を描かざるを得ない。
もうガチガチの会社人間ではだめだということがみんなわかっている。 やはり大事なのは、外部の人脈であり、情報である。
この頃、同窓会の集まりが良くなったのは、保守化の世相の影響ばかりではない。 ともあれ早く人生八十年時代の二ラウンド制に向けたライフスタイルに変えていかなければいけない。

みんながプレーイング・マネージャー・タイプを理想とするのもそこにある。 このタイプがやはり応用問題に強い。
いまは人生八十年という、サラリーマン二毛作時代にもかかわらず、意外にまだ一毛作時代の発想で走っているサラリーマンが多い。 いまの中高年から上は、かろうじて人生六十年時代の一毛作時代の発想で逃げ込めそうだが、逃げ込めるのは、悪い言葉でいえば彼らが高度成長期の最後の食い逃げ世代だからである。
しかし、もう団塊の世代などは危ない。

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